子供が飛び火になったのでベトナムの病院に行ってきました

子供の膝にかさぶたができました。
消毒薬を塗りましたが、かさぶたはどんどん大きくなって周りに同じようなかさぶたが幾つもできてしまいました。
調べてみると、単なる怪我ではなく飛び火の疑いがあったので、病院に連れて行くことにしました。

飛び火について

飛び火の正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。細菌が皮膚に感染することで発症し、人にうつる病気です。

私も5歳のときに飛び火に罹ったことがあります。
その時の記憶では、ひざの裏やひじの裏がただれてじゅくじゅくとしていました。
息子の場合は、かさぶたが出来て乾燥していたので、飛び火だとは思いませんでした。

調べてみると、飛び火には水ぶくれができるもの(水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん))とかさぶたができるもの(痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん))の2種類があり、私と息子ではタイプが違ったようです。

ベトナム人の妻に「飛び火という伝染性の病気かもしれない」というと意外にも直ぐに伝わりました。
病名や医学用語を伝えるのにいつも苦労していました。
子供の予防接種の時には、何の病気のワクチンなのかを伝えるのに、WikipediaやGoogle翻訳を駆使してベトナム語での病名を調べていました。

ところが、今回はあっさり「飛び火」といっただけで伝わったのが意外だったのです。
「飛び火」はベトナムでは子供がよく罹る病気で、たまたま知っていたみたいです。

病院探し

飛び火は皮膚科か小児科を受診する必要があることが分かったのですが、いつも行っている国際病院には皮膚科も小児科もないので、別の病院を探さなければなりませんでした。

家の近くには大きな国立病院がありますが、とても混んでいて何時間も待たされます。
飛び火くらいの軽い病気ではなるべく行きたくありません。

そこで、知り合いに聞いてみると、近所の(といってもバイクで10分ほどのところにある)個人開業医を紹介されました。

そこの先生は、昼間は国立病院で働いていて、午後5時半から8時の間だけ自分の病院で診療しているそうです。
夜だけでは経営が成り立たないのではないかと心配してしまいますが、妻の実家のそばの小児科医院も同じように夜間のみだったので、ベトナムでは珍しくないのかもしれません。

普通の民家にしか見えない病院

住所を頼りに病院を探していると、静かな住宅街のど真ん中にありました。
袋小路にあるので、バイクも少なくひっそりとしています。

外観は普通の家に見えます。
建物の中に入ると、廊下に椅子が7つ並べられており、患者らしき人が4人座っていました。
廊下の前には、診察室らしき部屋がありますが、机が1つと椅子が2つあるだけで、まったく病院らしい感じはしません。

受付もなく、勝手に椅子に座って待ち、自分の順番が来たと思ったら診察室に入っていくシステムのようです。
割り込みを心配したのですが、皆きちんと順番を守っていました。

30分ほどで息子の順番になりました。
やはり、息子は飛び火に罹っていました。
飲み薬と塗り薬を処方してもらえるそうで、診察は5分くらいで終わりました。

薬はどうやってもらうのかなと思っていると、先ほどから廊下をうろうろしていたおばさんが薬を持ってきました。
どうも薬剤師らしいのですが、普段着を着ていて世間話をしているので、患者と見分けがつきません。

おばちゃんから薬の説明を受けてお金を払って帰りました。
診察料と薬代で20万ドン(約千円)でした。
健康保険が効かないベトナムでは、高額な診察料をとられることがあり心配していたのですが、大変安かったので安心しました。

最初に病院を見た時には、病院らしからぬ見た目に「大丈夫かな」と思いましたが、先生は温和で説明も丁寧でとても良い病院でした。
残念なのは、皮膚科なのであまり受診する機会がなさそうなことです。

日本では、近所に掛かり付けの病院がありましたが、ベトナムでも近所で相談しやすい病院を探しておいた方が良いと思いました。