警察公認の偽造免許証

ベトナムで証明書偽造ビジネスに携わっているのは民間だけではないようです。

ベトナムでの自動車運転免許取得

2年前に、ベトナム人である私の妻は自動車の運転免許証を取得しました。

ベトナムの運転免許というと、バイクは8の字にくるくる回るだけで取れるなど、日本と比べて簡単に取得できるという先入観を持っていましたが、自動車の場合はそれなりに難しいみたいで、毎週1回教習所に通って3ヶ月掛かりました。
教習所を卒業すると、警察で実技試験を受けて合格すれば、免許交付となります。

実技試験の合格率は、50%前後と言っていました。
公認教習所を卒業すれば実技試験免除となる日本よりも、ベトナムの方が難しいかもしれません。

自動車と免許を買った?

妻が免許を取る少し前のことでした。

ホーチミンの近くのある省に住む妻の友人が自動車を買ったというのです。
その友人は、私たちの結婚式に出席してくれたので、私も顔は覚えていました。

私 「免許はどうしたの?彼女は仕事が忙しいから免許を取りにいくのは大変だったでしょ。」
妻 「免許は買った。」
私 「免許を買うってどういうこと?」
妻 「1000ドル出せば売ってくれるよ。」
私 「偽物ということ?」
妻 「そうそう。」
私 「でも、偽物じゃあ意味がないじゃない。警察につかまっちゃうでしょ。」
妻 「大丈夫。警察が発行するから。」
私 「警察が偽の免許証を売っているの?」
妻 「うん。だから警察に捕まっても大丈夫。」
私 「じゃあ、あなたもそれを買えばいいじゃない。」
妻 「でも、その免許証は買った省でしかつかえないよ。」

警察が偽造免許証を売っているという話にびっくりしました。
聞くと、正規の用紙に正規の機材を使って作成するそうですから、偽造とは呼べないかもしれません。

正規の教習所に行くと、教習代金だけで500ドル掛かります。
あと500ドルを足せば、3ヶ月の時間と労力をなくせるわけですから、とても良心的な価格設定だと思います。
結構、偽造免許証を買っている人がいるのではないかと心配になります。

でも、ホーチミンで自動車を運転するのはかなり難しいです。
バイクの洪水の中を走るには、かなりのテクニックとマナーが必要です。
教習所を卒業したからといって、そのテクニックとマナーが身につくとは限りませんが、せめてちゃんと教習所を卒業して試験に合格した人だけに運転してもらいたいものです。