私は以前プロジェクトマネージャを補佐する部署(PMO)に所属していました。
その仕事でいろいろなプロジェクトの社内会議に出席して感じたのが、聞かれたことにちゃんと答えることができるプロジェクトマネージャは非常に少ないということです。

ちぐはぐなやり取り

例えば、事業部長に「いつまでに終わるのか」と聞かれた場合、「何月何日までには・・・」とか「5日後には・・・」と答えるのが普通ですが、多くのプロジェクトマネージャは「それにつきましては問題があり、どういう問題かというと・・・・」と話しを始めて、いつまで経っても「いつ」という答えを言いません。
そのうち事業部長がイライラして「そんなことは聞いていない」と怒鳴られてしまうのです。

「そんな受け答えができないなんてプロジェクトマネージャがバカなんじゃないの」と思われるかもしれません。
でもそんなプロジェクトマネージャは本当に多いんです。

会議ごとにプロジェクトが変わるので、プロジェクトマネージャ、プロジェクトの状況、抱えている問題はまったく異なるのですが、会議が紛糾するきっかけは大体同じで、「いつ」、「誰が」という質問に対して答えが返ってこないことです。

決して、プロジェクトの問題に対して的確に対応していないという内容に関することではなくて、聞いたことに答えないというとても単純なことで紛糾するのです。

英語のTOEIC試験のリスニングパートで「疑問詞が何かを聞き取るのが重要」と言われたことがあります。
質問の先頭が”Who”なのか”When”なのか”Where”なのかさえ聞き取れれば答えが絞り込めるので、その後何を言っているのかまったく分からなくても点数が取れるというのです。
社内会議でもまったく同じで、疑問詞にさえ答えていればそんなに怒鳴られることはないのに、それができなくて怒られるプロジェクトマネージャが本当にたくさんいました。

孤立無援のプロジェクトマネージャ

なぜこのようなことが起きてしまうかというと社内会議の特殊な雰囲気が原因ではないかと思います。

社内会議は取締役や事業部長を筆頭に、品質保証部門、技術部署、プロジェクト管理部署などの部長クラス以上が出席します。
プロジェクトマネージャは課長クラスが任命されることが多いので、会議の中で一番下の役職であることが多いのです。
しかも、プロジェクトに批判的な間接部門の人間に囲まれているので、プロジェクトマネージャは孤立無援の状態です。

このような状況下で普通の精神状態を維持できなくのなるのは仕方がないことです。
聞かれたことに対して、複雑な状況をできるだけ詳しく伝えようとするあまり、前提部分がついつい長くなってしまうのですが、聞いている方からするとなぜプロジェクトマネージャが、そんな話をしているのか分からないわけです。

私もプロジェクトマネージャ時代は、よく怒られていました。
一度怒られるとますますテンパってしまって、よけいにちぐはぐな答えを返していました。
その時は、対策などの内容が悪くて怒られているのだと思っていましたが、別の立場で会議に出席するようになって初めてもっと単純なことで怒られていたのだと分かりました。

ただでさえ苦労の多いプロジェクトマネージャですから、社内くらいはもう少し助けてあげてもよいのではないかと思います。
このようなやり方は私のいた会社だけなんでしょうか、それとも他の会社も同じなのでしょうか。