家の前で女子高生殺人事件が起きた

ベトナムの治安は良いと言われています。
確かに殺人や強盗などの凶悪事件、とくに銃が使われるような事件は少ないようです。

ところが先日、わたしが滞在しているマンション、しかも住んでいる部屋から数メートルしか離れていない場所で殺人事件が起きました。

バラバラ殺人?

普段は誰もいないマンションの部屋の外に、その日はたくさんの人がいました。
10メートルほどの廊下に20人〜30人の人が行ったり来たりしていました。
不思議に思った私は、妻に何が起きたかを聞くと「家の横の非常階段で、ダンボールに入れられた女性の下半身がが見つかったらしい」と答えました。

その非常階段への扉はいつも閉まっていて、私は、そこに非常階段があることも知りませんでした。

TVには、うちのマンションの玄関が映っていました。
何百人もの野次馬がマンションの周りを取り囲んでおり、警察が立ち入り規制を行っています。
マンションを出たら、私のベトナム語力では入ることができなさそうだったので、その日は家でじっとしていることにしました。

警官が聞き込みに来て、妻に死体の写真を見せて被害者に心当たりはないか聞いたそうですが、下半身だけでは分かるはずはありません。
私は、死体の写真を見たくなかったので、奥の部屋に隠れていました。

犯人は高校生

翌日、犯人は捕まりました。
廊下に設置されていた監視カメラに、死体を隠したダンボール箱を持ち込む様子が映っていました。

犯人は高校生の男の子で、被害者は犯人の友人の女子高生だったそうです。
二人ともマンションに住んでいるわけでも、知り合いがいるわけでもないのですが、よく忍び込んで階段の踊り場で遊んでいたそうです。

最初は、私が住んでいる階で遊んでいたのですが、女の子の頭を壁に打ち付けて階段から突き落としたために、発見は下の階になったようです。

動機は、被害者が持っていたスマートフォンが欲しかったためだそうです。
スマートフォンくらいで人を殺すというのは、にわかには信じられません。

日本であれば、ワイドショーが犯人の家族関係や近所の人の話などを詳しく調べてくれますが、ベトナムでは全然報道されません。
犯人については、これ以上のことは分かりませんでした。

喉元過ぎれば・・・

ちょっと気になったのが、マンションのセキュリティです。
私のマンションの玄関は、カード式のロックになっていてマンションの住民以外は入れません。
また、警備員も出入りする人を監視しています。

ところが、最近警備員がいなくなっていました。
玄関も開けっ放しになっていることが多く、どう見ても住民ではない人が出入りするようになっていました。
それで、今回の加害者と被害者がマンションに入り込むことが出来たわけです。

事件後、再び警備員がドアの横で監視するようになり、住民もドアをきちんと閉めるようになりました。

スマートフォンくらいで殺された被害者のことを思うと可哀想で仕方がありませんが、マンションのセキュリティ意識が向上したのは良かったと思っていました。

ところが、事件から1週間が過ぎた頃から警備員はいなくなり、玄関のドアも開けっ放しになっていることが多くなりました。