2015年7月に住宅法が改正され、ベトナムでも外国人がマンションを所有することができるようになりました。
それに伴い、ベトナムでの不動産投資を考えている日本人が増えているそうです。
しかし、ベトナムでのマンション売買は日本とは違う点があるので注意が必要です。

代金の支払方法

新築のマンションを購入する場合、日本では代金を部屋の引き渡し時に支払いますが、ベトナムでは建設中に支払うのが一般的です。

例えば、申し込んだときに10%、3ヶ月後に20%、6ヶ月後に30%というように、完成まで分割して支払っていきます。
購入時にまとめて支払えば割引がある場合もあります。

日本人なら「建物が完成していないのにお金を払うなんて・・・」と思ってしまいますが、ベトナムではマンションは人気があるため、それでも飛ぶように売れています。
完成が近づくにつれ値段が上がっていくので、人気がある物件は直ぐに完売してしまいます。
完成前に転売して儲けている人もたくさんいます。

竣工が遅れるのは当たり前

「もし、完成しなければどうなるの?」というのは当然の心配です。
実際に工事が中断するケースもあるようです。

ホーチミンの近くのリゾート地であるブンタウの中心部で、マンションの建設が何年も中断するということがありました。
最近になってやっと再開されたようですが、何年もの間、鉄筋むき出しで雨風にさらされて廃墟のようになっていました。

工事が遅れるのは当たり前で、私が住んでいるマンションでも、完成が9ヶ月遅れました。
遅れが6ヶ月を超えると違約金を支払うと契約書に書かれていましたが、実際には何ももらえませんでした。

中断や遅れの原因は、建設資金の不足のようです。
事前にお金を払っているのだから、資金不足にはなるはずがないと思いがちですが、デベロッパーによっては自社の運転資金に流用しているので安心できません。
建設資材の価格高騰が原因であれば多少は納得できますが、他の事業の失敗の穴埋めに使われているケースもあるようです。

竣工しても権利証はもらえない

日本の権利証に当たるものは、ベトナムではレッドブック、ピンクブックと呼ばれています。

ベトナムでは、代金を全部支払って部屋の引き渡しを受けても権利証をもらえません。
完成後にデベロッパーが役所に申請して権利証が発行されるのですが、その手続きに時間が掛かるからです。

私の場合、部屋の引き渡しを受けてから2年以上経ちますが、まだ権利証はもらえていません。
デベロッパーは「そろそろだから」と言っていますが、なかなか発行されないようです。

恐ろしいのは、権利証をもらうまではマンションの所有権はデベロッパーにあることです。

去年、あるデベロッパーが倒産しました。そのデベロッパーが販売したマンションが銀行融資の担保となっており、銀行はマンションの居住者に立ち退きを要求するという事件がありました。

管理が悪いとマンション価値が下落する恐れがある

権利証を入手できたとしても安心できません。
マンションはデベロッパーが管理を行いますが、管理が悪いとマンション価値が下がる恐れがあります。

マンションを探して中古物件を回ったとき、そのような物件を多数見ました。

照明がほとんどない暗い廊下にゴミが散乱していて壁はひび割れだらけで、まるで香港のクーロン城のようなマンションがたくさんありました。ベトナムではマンションでの共同生活に慣れていない人が多いため、廊下を道端のように考え、ゴミを捨てるなどマナーに問題がある人がいます。
そのため、管理がしっかりしていないとマンションの劣化のスピードがとても速いのです。

デベロッパー選びが重要

マンションを買うときには、物件よりもデベロッパー選びがとても大切です。
工事を完成させるだけの資金力があること、管理がしっかりしていることをよく確認する必要があります。

ただ、ベトナムでは優良と思われていた会社やお店があっという間にダメになってしまうことがよくあります。
投資目的でのマンションの購入は、日本人にとってはリスクが高いと思われます。