世の中はセキュリティに対して非常に厳しくなっています。
会社のノートPCを失くしでもしたら大変な騒ぎになってしまいます。

同期の女性の災難

あるプロジェクトで同期入社の女性と仕事をしていたときのことです。

その女性は、静岡から東京まで新幹線通勤をしていたのですが、ある日の帰りに新幹線の車内にカバンを忘れてしまいました。
そのカバンには会社から貸与されたノートPCが入っていたのです。
彼女は、直ぐに会社のIT部門に連絡し、彼女の社内イントラへのアカウントを停止し、JRに紛失届をだしました。

翌日の朝、カバンは見つかりましたが、彼女が大変だったのはそこからでした。

先ず、見つかったノートPCをIT部門に提出し、不正なアクセスがないか徹底的に調べられました。
その過程で、PCに設定しなければならないはずのセキュリティ対策を、まだ行っていなかったことが発覚しました。
そこから大騒ぎになり、彼女はセキュリティ管理部門に呼び出され、まるで犯罪者のように何日も尋問を受け、それが終わると始末書を書かされたそうです。

騒動が終わった後、すっかり憔悴した彼女は「もう二度と会社のPCを持ち帰らない。家で仕事はしない。」と言っていました。

この件は、セキュリティ設定を行っていたなかった彼女に非がありますが、IT部門はつぎつぎと設定の追加をメール1本で要求してきますし、添付されている設定手順書は分かりにくく読み解くのにとても時間が掛かりましたから、ついつい業務を優先し設定を後回しにしてしまった彼女の気持ちも理解できます。

それでも彼女の場合は、PCが直ぐに見つかったので幸運だったそうです。
別のケースではカバンが見つからず、60人くらいの社員を動員して、失くしたと思われる辺りを何日も探したらしいです。
捜索は同じ部署の人たちが中心となって行ったそうなので、プロジェクトの進捗に大きな影響を及ぼしたと思います。
また、失くした本人がそれをどのような気持ちで見ていたかを想像すると同情を禁じえません。

失くすと怒られるものが増えている

この件があってから、彼女だけではなく、私を含めたプロジェクトメンバはみんな業務資料やノートPCを持ち帰るのを止めました。

多少は不便になりますが、彼女のような目にあうリスクを考えると、とても持ち帰る気にはなれません。

ところが、暫くすると会社は持ち運び用のノートPCの配布を開始しました。
それまでは、ノートPCの購入は部署ごとに行っていたので、部署で必要ないと判断すれば持っていなくても問題ありませんでした。
しかし、緊急の事務処理を行うために、いつもノートPCを持ち運ばなければならなくなったのです。

会社から配布されたPCは、予めセキュリティ対策を施されていますが、それでも失くしたときの騒ぎは、そんなに変わりありません。

考えてみると、以前は失くしてはならないものは、社員証くらいしか持ち歩いていませんでした。ところが、今はノートPC、携帯電話、USBのセキュリティキーなど、どんどん増えています。

失くさないようにいつも気をつけていれば良いのでしょうが、気の緩みというのは誰にでもあることだと思います。
なんとか会社の外ではもう少し気楽に過ごせるようにならないものでしょうか。