海外出張に行くと、普段は会うことのない他部署の人や他の会社の人と食事をする機会があります。
大概は駐在している方で、その国に住んでいないと分からないお話を伺うことができるので、とてもためになるのですが、中には怪しい人も混ざっています。

日本料理屋で話しかけてきた怪しい男性

中国の大連に出張したときのことです。

その日は、中華料理ばかり何日も食べていたので、さっぱりしたものが食べたくなり、同行していた部下と日本料理屋に行きました。

肉じゃがをつまみにして生ビールを飲んでいると、隣に座っていた年配の男性が声を掛けてきました。

「あなたたちはどこの会社に勤めているの?」

社名を答えると「ああ、Sさんの会社か。」と言いました。
Sというのは、私の会社の駐在員です。
Sもこの店によく来ているらしく、それで知り合いになったらしいのです。

年配の男性はTさんといって、大手商社を定年退職した後、大連でコンサルタントをされているということでした。
若い時から中国に駐在して、かなり苦労をされたということで、いろいろとお話を聞かせてもらいました。

そして話が一段落したとき、Tさんは突然怪しい話を切り出してきました。

Tさん「うまい儲け話があるんだけど。」
私  「何ですか?」
Tさん「大連の近くの土地を買わない?開発計画があって絶対儲かるよ。」
私  「日本人が土地を買えるんですか?」
Tさん「名義は中国人に借りればいいんだよ。」
私  「危なくないですか?」
Tさん「大丈夫。知り合いの絶対信用できる中国人がいるから。」
私  「いくらですか?」
Tさん「300万円くらいだよ。」
私  「そんなにお金を持っていませんよ。」
Tさん「いくらなら出せるの?」
私  「いや、全然お金はないんですよ。」
Tさん「そんなことはないだろう。10倍にはなるいい話なんだから。」

私はまったく興味はなかったのですが、Tさんはなかなかあきらめてくれません。
結局、1時間くらい押し問答をして、最後は強引にホテルに引き揚げました。

Tさんは有名人だった

翌日、駐在員のSさんに昨夜の出来事を話すとSさんは言いました。

「Tさんの話は聞いちゃダメだよ。」

Tさんは日本人を見つけると怪しい話を持ちかけることで知られていて、駐在員の人たちは相手にしていないそうです。
Tさんの投資話の真偽は分かりません。しかし、海外には日本人をターゲットにした日本人詐欺師がよくいるそうです。
海外で日本人に出会うとつい気を許してしまいがちですが、良い人ばかりではないのでお気をつけください。