グラブ・バイク

突然増えた緑のウインドブレーカー

最近、街のあちこちで緑のウインドブレーカーを見掛けるようになりました。
2、3ヶ月前はほとんど見なかったのに、わずかな間に急に増えました。
彼らはGrab Bikeの人たちです。

Grab Bikeというのは、バイクタクシー(ベトナムではセオムといいます)なんですが、スマホ・アプリで呼び出すことができて、料金も半分くらいで乗ることができます。

最初はUberなどとともに四輪車から普及が始まりましたが、ここに来て急速にバイクタクシーに広がっています。

Grab Bikeは通販普及の起爆剤になるかもしれない

彼らは人だけでなく、荷物も運びますし、集金もやってくれます。
日本の宅配便や代金引換に相当するサービスを提供しているわけです。

常々、ベトナムで通販が流行るには2つの問題がありました。
ひとつは決済で、もうひとつは物流です。

ベトナムではクレジットカードを持っている人はほとんどいません。
デビットカードを持っている人は増えていますが、まだまだ少数派です。
銀行振込にしてもEバンキングを使っている人は少ないですし、ATMには振込の機能はありません。
ですから、通販で物を買うと支払いがとても面倒だったのです。

また従来の物流は、郵便小包が中心でした。郵便小包の問題は、届かないことがあることです。
これではビジネスとしては使えません。

この2つの問題をGrab Bikeは解決してくれそうなんです。

従来からバイクタクシーは配達や集金に使われていました。
しかし、バイクタクシーはあくまで個人業者なので、知り合いの運転手と個別契約するしかありませんでした。
それだと、注文が集中すると対応できないなど、大規模なビジネスでは使いにくいところがありましたが、Grab Bikeであれば、必要な時に必要な人数を集めることができ、大規模ビジネスでも適用可能です。

しかし、問題もあります。
あくまで個人業者なので、荷物やお金を盗むなど悪いことをするひとは多少は出てくるでしょう。
また、欧米で問題になっている運転手の待遇問題(最低賃金に達していない、社会保障がないなどの問題)がベトナムでも起こるかもしれません。

でも、日本とはまったく異なる仕組みを活用して、どのようにベトナムが変わっていくかとても楽しみです。
新しいサービスが生まれて欧米や日本に拡大していくということもあるかもしれません。