ベトナムのホーチミンの会社にオフショア開発を発注し、仕様の説明や成果物の確認のために、隔週で日本とホーチミンを行き来していたときのことです。

帰国時に頻繁に見かける女性

ホーチミンから日本へ帰国する際、タンソンニャット空港でよく見かける女性がいました。
40代くらいで、メガネを掛けていて品の良さそうな女性です。

どのような用事でホーチミンに来ているのかは分かりませんが、これだけよく会うということはかなりの頻度でベトナムを訪れていると思われました。

会社の同期のTさんにそっくりだったので、出張に同行した部下と「Tさんをまた見たよ。」、「私も見ました。」などとよく目撃情報を交換していました。

ある日、出国審査を終えて空港の出発ゲートで座っていると、部下が「すごいものを見ました。」と言ってきました。

私 「何を見たの?」
部下「Tさんが出国審査を受ける時、隣のブースにいたんですけど・・・」
私 「また、いたんだ。本当によく会うよね。」
部下「それが、係官にパスポートを渡す時、100ドル紙幣を挟んでいたんですよ。」

Tさんは、犯罪に手を染めたり、政府から目をつけられるようには到底思えません。
また、入国の時ならともかく、外国人の出国審査で賄賂を払わないと通してくれないという理由が思いつかなかったからです。
それで、部下が何かを見間違えたのだろうと思いました。

私自身も目撃

ところが、2ヶ月くらい経った頃、やはり帰国のために出国審査を受けていると、隣のブースでTさんが出国審査を受けていました。
部下の話を思い出したので、Tさんが差し出すパスポートをじっと見つめていたら、確かに100ドル紙幣らしきものが挟んであったのです。

もしかするとTさんは、反政府的な活動を行うNGOのメンバーなのかなと考えたりもしたのですが、本人に直接聞く勇気がなかったので、彼女の正体もお金を渡していた理由も謎のままです。