東京と大阪が仲があまり良くないのと同じように、ベトナムでは北部と南部の仲がよくありません。
ベトナム戦争で北部が南部を打ち負かしたことが大きく影響しているのかもしれませんが、多くのベトナム人と付き合ってみると、それだけが原因ではないようです。

お互いが嫌いな北部人と南部人

北部の人から見ると南部の人はおっとりしていて(悪く言うと愚鈍で)歯がゆいようですし、南部の人からすると北部の人は口がうまくてずる賢いと見ているようです。

外国人の私が見ていても、北部の人はよく話す人が多く、何かを聞くと直ぐに答えてくれるので仕事は非常にやり易いです。
それに対して南部の人は、仕事中はあまり話さないのですが、食事に行くと饒舌になり、一緒にいて楽しい人が多いように感じます。

一方が他方を圧倒していれば、対立は起きないかもしれないのですが、ハノイは政治の中心として誇りを持っていますし、ホーチミンは経済の中心として自信を持っています。南部の人たちの中には、ベトナム戦争で負けなければ今頃は韓国くらいには経済発展していただろうという人もいます。

少し前までは人口でもホーチミン(824万人)がハノイ(759万人)を圧倒していました。
北部の人たちはそれが許せないらしく、周辺の村を併合して人口を増やしていますが、まだホーチミンを抜くことができていません。

無口な中部の人たち

ベトナムには中部の人たちもいます。
彼らは非常に寡黙で、忍耐強いと言われています。
台風などの自然災害が多い土地なので、飢えに苦しむことも多く、そのために我慢強い気風が養われてきたのではないかと言われています。

中部の人たちの知り合いもたくさんいますが、確かにあまり話さない人が多いようです。
忍耐強いので根気が必要な仕事に向いており、オフショア開発でも非常に頼りになる存在です。

第二次世界大戦が終わるまでは首都が置かれていたので、日本で言えば京都に当たる存在なのかもしれません。
もう少し自分たちの素晴らしさを主張しても良いのではないかと思うのですが、寡黙な彼らは、あまり自分たちのことを話そうとしません。北部と南部の対立にも我関せずといった感じです。

ベトナムに行く前から書籍などで、各地方で人々の性格が異なることや対立があることは知っていたのですが、実際に行ってみると、本で受ける印象よりも対立は根深いものがあることが分かりました。

でもこの対立は、ひとつの国家にまとまっているからこそあるのかもしれません。