日本とベトナムでの子育ての環境

日本での子育ては大変でした

私は、子供が生まれて暫くは日本で子育てをしていました。
2歳半になった頃、ベトナムに子供を移したのですが、日本とベトナムで、子育ての環境があまりに違うので大変驚きました。

日本では、子供を連れて外出するととにかく気を使います。

電車に乗れば周りの視線が気になって落ち着きません。
子供が泣き止まないときなどは、いたたまれなくなって途中下車したことが何度もありました。

入れるレストランも限られてきます。
いちいち幼児用の椅子の有無を確認するのは面倒ですし、椅子が用意されているところでも子供を歓迎していないところが多いので、ファミリーレストランに入ってしまいがちです。

保育所に入れるのはとてもたいへんで、妊娠時に妻は会社を辞めていたので、我が家の優先順位は非常に低く、入所は早々に諦めました。

実際に自分で体験するまでは、子育てがそんなに大変だとは思いませんでした。
会社に行っている私がこれだけ大変なので、一日中子供と向き合っている妻は私の何倍もたいへんなはずです。
これでは日本が少子化していくのも止むを得ないと痛感しました。

ベトナムではみんなが助け合って子育てしています

一方、ベトナムでは子供やお年寄りは大切に扱われます。
バスに子供やお年寄りが乗ってくると、車掌は若い人に席を譲れと指示を出します。
それに逆らう人はいません。
車掌から言われなくてもみんな率先して席を譲ります。

レストランでも子供を嫌がるところはあまりありません。
ウエイトレスやウエイターは子供の相手をよくしてくれますし、周りのお客さんも子供が少々騒いでも嫌な顔をする人は滅多にいません。
また、レストランに子供の遊び場が併設されているところが沢山あり、親はゆっくりとご飯を食べることができます。

待機児童の問題もベトナムにはないようです。
保育所がたくさんあり、日本とは逆に子供の取り合いになっています。
教育面や環境を充実させて沢山の子供を入所させようと競争しています。

ベトナム人は結婚しても仕事を辞める女性はほとんどいません。
ほとんどの家庭は共働きで、出産しても直ぐに職場に復帰します。

子供をベトナムに移してからは子育てが本当に楽になりました。

少子化を解決するには社会の雰囲気を変える必要があります

日本とベトナムの違いは、政策などではなく、社会の雰囲気にあるのではないかと感じています。
日本の政治家は、待機児童を減らすために保育所を増やすことばかりを言っていますが、社会が子育てにたいしてもっと寛容にならなければ、子供を作ろうという人は増えていかないと思います。

もっとも、社会の雰囲気を変えるのはとても難しいことです。子供を増やすことの必要性をみんなが理解しなければならないので、もっともっと少子化が深刻になった後のことになるでしょう。

ベトナムでも核家族化が進行し、子供の数が徐々に少なくなっています。
近い将来、ベトナムも日本のように子育てがたいへんな社会になっていくのか、それとも日本とは別の道を進むのか見守りたいと思います。