一番ひどかった発注先

このブログで、オフショア開発の失敗事例をいくつか書いてきましたが、実はオフショア開発では、それほど大きな失敗はしていないと思います。(昔の上司が読んだら「ふざけるな」と言われそうですが・・・)
途中で問題は発生しましたが、なんとかリカバリーできています。
それは、オフショア開発を始める前から、私のチームが日本国内でリモート開発を行ってきたからだと思います。
その代わり、国内ではいろいろ失敗しましたし、痛い目に遭ってきました。

今回は、そのうちの1つの事例をご紹介します。

突然、上司から遅延プロジェクトの管理を指示された

超短期の案件を受注し、死にそうな状態でプロジェクトを進めていたとき、上司から呼ばれました。
てっきりプロジェクトの状態を確認するために呼ばれたものと思っていたら、上司は、まったく予想外のことを言いました。

「今、進捗が遅れているプロジェクトがあるので、そちらの面倒も見てくれ。」

「自分のプロジェクトの方がひどい状態です」と言いたかったのですが、直前に昇進させてもらった恩もあるので、むげに断ることはできません。

しょうがないので状況を確認すると、協力会社に一括丸投げで依頼しているが、3ヶ月の作業期間に対して半月遅れとなっており、あと3週間で納品しなければならないが間に合いそうもないので、なんとかしろとのことでした。

「3週間後には、私のプロジェクトも納品です」と言ったのですが、「おまえのプロジェクトには、他にも人がいるだろう」と言われ、もう一つのプロジェクトの面倒もみることになりました。

そして、そのプロジェクトが作業場所としているお客様先にしばらく常駐することになりました。
そのときは、1週間くらいで立て直して戻ってくるつもりでした。

確認すると状況は聞いていた話とまったく違った

その協力会社の人たちとは面識がなかったので軽く自己紹介したあと、状況確認を行いました。

私  「詳細設計まで完了しているんですよね。とりあえず、設計書を見せてください。」
リーダ「まだ清書ができていません。」
私  「それなら下書きでいいですから見せてください。」
リーダ「下書きもありません。書きものは後でやる予定です。」
私  「では、何ができているんですか。」
リーダ「画面レイアウトならあります。でもレビューの途中です。」

完全に危険なパターンです。半月遅れではなく、1.5ヶ月は遅れていました。

支援者の様子がおかしいので確認すると・・・

あまりにひどい状況にめまいがしましたが、とにかくやり切るしかありません。

現状の体制だけではどうにもならないので、協力会社の社長にプログラマの増員をお願いすると、翌日には4名を寄越してくれました。
3名の現状体制に対して4名の増員ですから一気に2倍以上に増えたわけです。
まだ回復のめどはまったく立っていませんが、とりあえず頭数は揃ったので安心していました。

ところが、支援者たちはワープロに仕様書を入力するだけで、一向にプログラムを作ってくれません。
焦った私は、支援者たちに言いました。

私  「仕様書入力は一旦置いといてコーディングを行ってください。」
支援者「できません。」
私    「???何でですか?」
支援者「私たちは、プログラマではありませんから」
私  「では、あなたたちは何なんですか?」
支援者「事務の派遣です。」

協力会社の社長は、一般事務の派遣社員をプログラマと偽って寄越してきていたのでした。
社長にはクレームを出しましたが、「今はプログラマは出せない」の一点張りでらちがあきませんでした。

定時になるとリーダが直ぐに帰ってしまう

もう一つ困った問題がありました。

その協力会社のリーダは、人柄がよく技術的にも信頼できそうな方で、このプロジェクトの唯一の希望だったのですが、定時後になると直ぐ帰ってしまうのです。

大変な状況が続いていたので、精神的に切れてしまっているのかなと思いましたが、リーダに頑張ってもらわないとこのプロジェクトはどうにもなりません。

そこでリーダを説得することにしました。

私  「疲れているとは思いますが、もう少しの辛抱なので残業してもらえませんか。」
リーダ「体は大丈夫なんですが、残業はできません。」
私  「それはなぜですか。家庭の事情か何かですか。」
リーダ「実は、社長の指示で、別のプロジェクトの支援に行っています。」

すぐに社長に文句を言いましたが、支援を止めてくれなかったので、私の上司から止めるよう言ってもらいました。

結局納期は守れず、お客様にご迷惑をお掛けした

このような状況だったので、お客様にお願いして納期を1ヶ月遅らせてもらいました。
お客様には大変ご迷惑をお掛けしてしまいました。

このプロジェクトで痛感したのは、発注先の経営者や管理者が信頼できるところを選ばなくてはならないということでした。なにせ社長に不満があっても、文句を持っていく先はありませんから。