大連で物乞いにだまされた話

私は募金が好きです。
困っている人を助けたいというよりも、募金をしている人たちのそばを知らぬふりをして通れないだけで、完全に自己満足のためです。

ただ、近頃は募金している人たちをよく見てから寄付するようにしています。
何年か前、秋葉原で地震の義援金を集めている人たちがいました。
そのとき小銭がなかったので1,000円札をあげたら、喜んでくれて自分たちの機関紙をくれました。
そこには、その組織が発展途上国のゲリラを支援していることが書かれていました。
もしかすると私が出したお金で銃弾が買われ、誰かが殺されてしまうかもしれないと思い、愕然としました。
考えすぎかもしれませんが、それから素性のわからない人たちには寄付しないようにしています。

中国やベトナムでは街角で募金している人たちは見かけたことはないのですが、物乞いの人たちはたくさんいます。
主に子供や老人、体の不自由な人たちが物乞いをしています。

以前、大連に出張した時に、道端に座り込んで赤ん坊に乳をあげている女性の物乞いがいました。
きっと乳飲み子を抱えて働くこともできずに困っているのだろうと思いお金を上げました。
たいした金額ではなかったのですが、それで栄養のあるものでも食べてくれるといいなと思いながらその場を後にしました。

そして3分ほど歩いたところに、同じように道端で赤ん坊に乳を上げている女の人がいました。
ちょっと変だなとは思いましたが、私はまたお金をあげました。

さらに少し歩いたところで、別の女の人が赤ん坊に乳を上げていました。

翌日、オフショア開発先のリーダーに聞いたら、赤ちゃんに乳をやるのが女の物乞いの人たちの間で流行っているそうで、わざわざ他人から赤ちゃんを借りて物乞いをしているそうです。

きっと大連の人たちには、私が「人前で胸を出している女性に引っかかっているお金をあげるスケベな外国人」に見えていたと思います。

リーダーには笑われてしまいましたが、中には本当に困っている人がいるかもしれないので、今でも募金や物乞いの人たちを見かけるたびに、なるべくお金をあげるようにしています。