いつかは捕まると思っていましたが、遂にベトナムの警察に捕まってしまいました。
といっても犯罪を犯したわけではありません。
バイクに乗っていただけです。しかも何も法律違反も犯していません。

ベトナムの警察官が、「コーヒー代をくれ」と言って賄賂をねだってくるというのは、書籍やブログで読んで知っていました。
金額としては、大体20万ドン(約1,000円)から30万ドン(約1,500円)くらいが多かったと思います。

いつかは私もコーヒー代をねだられる日が来ることは覚悟していました。
でも、バイクに乗り始めてから1年半が経ちますが、警察官に呼び止められたことは一度もありませんでした。
おそらく、最近は交通渋滞が激しいので、交通整理に忙しいせいではないかと思います。

日曜日に子供を乗せてバイクを走っていたときのことでした。
交差点を右折したところで、ベージュ色の制服を着た警察官が立っていて、私に手招きをしました。
バイクを止めると警察官が話しかけてきました。

警察官「ライセンスプリーズ」
私  「ライセンスは持っていません。このバイクは50cc未満なのでライセンスはいらないでしょ。」
警察官「ライセンス」
私  「・・・」

片言の英語でやり取りをしていたのですが、私の言っている英語が通じていないようです。

ベトナムでは、排気量50cc未満のバイクは免許証なしで乗れます。
バイクに乗っている外国人の大部分は無免許で110ccや125ccのバイクに乗っているらしいのですが、私は法律に触れるのが嫌だったので50ccのバイクに乗っています。
私のバイクは免許証がいらないと説明したのですが、まったく通じていないようです。

仕方がないので妻に通訳を頼もうと電話を取り出すと、警察官は「ノー・ノー」と非常に慌てた様子で言ってきました。

その時は理由が分からなかったのですが、後で妻に聞いたところ、最近不正な取り締まりの様子を動画で撮ってYouTubeなどで公開する人がいるそうです。
この警察官もそれを恐れたのではないかと思います。

話は通じない、電話もできないということで困ってしまって顔を見合わせていると、警察官は突然「マネー」と言ってきました。

仕方がないので「いくら?」と聞くと「1千万ドン(約5万円)」と答えました。
冗談じゃありません。
こちらは何も悪いことはしていないのに、ぼったくりにもほどがあります。

「持っていないよ。」と言って百万ドンを財布から取り出そうとしたときでした。
彼は、いきなり私の財布に手を突っ込んで札をすべて取ってしまいました。

そのとき財布の中には、320万ドン(約1万6千円)入っていたのですが、すべて持って行かれてしまいました。
「冗談じゃない。返せよ。」と言ったのですが、警察官は「もういいから早く行け」という感じで手をひらひらさせています。

これ以上話をしても仕方がありません。そもそも会話ができません。
あきらめてバイクを走らせようとすると、私が走り出しやすいように自動車を停めてくれました。
思わぬ大物を捕まえたので、よっぽど嬉しかったんでしょう。
満面の笑みといった感じで笑っていました。

家に帰り、妻に顛末を話すと「馬鹿じゃないの。なんで電話しないの。」と怒られました。
でも、日本人の感覚からすると警察官の指示に従わないと逮捕されるから、電話するなと言われると素直に従ってしまいます。

てっきり慰めてもらえるかと思っていたのですが、逆に怒られてしまい、ますます落ち込んでしまいました。

でも、お金を財布の同じ場所に入れておいたことなどや、警察官の前で不用意に財布を開いてしまったことなど、セキュリティ意識が欠けていた点は反省しています。