職場に女の子が配属されるとテンションが上がります。
私のいた会社は、女性の比率が低かったので尚更です。
でも、管理する立場からすると嬉しいことばかりではありません。

美人の新入社員

係長だった私の下に、女性の新入社員が配属されることになりました。
私の係は、官公庁向けのシステム開発を担当しており、仕事が地味な上、残業が多くきつかったので、それまでは男性ばかりが配属されていました。
ですから、女性が配属されるという内示が来ただけで、私の部下たちは浮き足立っていました。
しかも配属されてきたのは凄い美人だったのです。

当時は、お客様と共同開発するベンダ7社でビルを借りて開発を行っていました。
そのため、同じビルでお客様や他社の人たちが一緒に働いていました。

新人が配属されて直ぐに、その噂がプロジェクト中に拡がったらしく、私たちの作業場所まで新人の女の子を見に来る人がたくさんいました。
私たちの担当システムとは何の関係もない人たちが頻繁に来るので、チームの集中力の妨げになっていました。

また、打ち合わせの度に、他のチームリーダーから女の子との話を聞かれました。
最初は、少し誇らしい気分だったのですが、何度も同じことを訊かれるので段々うんざりしてきました。

しつこいお客様

それでも少しずつ慣れてきて半年が経過した頃、新人の女の子から相談したいことがあるので時間をくれと言われました。
普段の指導は、3年目の部下に任せているので、直接話をしたいというのは尋常ではありません。
もしかしたら「退職したい」という話なのかと思いながら、会議室で話を聞きました。

私 「何の話ですか?」
新人「実は、お客様からしつこく言い寄られて困っています。」
私 「どこの人?」
新人「Xシステム担当のAさんです。」
私 「Xシステムはうちの会社とは全然関係ないじゃない。」
新人「そうなんですよ。」
私 「どうやって誘ってくるの?」
新人「食事に誘われたりしています。いないときには名刺にメモを書いて置いてあったりします。」

この話を聞いて、本当に困りました。
Aさんの上司に伝えて止めてもらうことは簡単ですが、本人同士だけでなく組織間にしこりが残ってしまう恐れがあります。
それに話を聞く限りでは、個人間の恋愛レベルの話で、組織でどうのこうのいう問題にはなっていません。

そこで、もう少し様子を見て止めないようであれば、対策をとることにしました。
ただ、彼女は期待していた対策と違うらしく、とてもがっかりした顔をしていました。
おそらく迅速に動くことを期待していたのでしょう。

それ以降、彼女からこの手の相談を受けることはありませんでした。

後になって、彼女の指導を行っていた部下から聞いた話ですが、実は当時彼女を口説く男性はたくさんいたそうです。
大概は軽くあしらっていたのですが、Aさんの場合は、しつこかった上にお客様だったので、私のところに相談に来たようです。

役立たずの上司で申し訳ありません。