理系の読書

以前聞いた話ですが、理系の人は年をとると歴史や哲学の本を読むようになるそうです。
確かに理学部数学科出身の上司は、いつも歴史の本、それも江戸時代の庶民の生活などマニアックな本を読んでいました。

読む本がなくなった

私は文系出身で、会社に入った頃はコンピュータやプログラミングのことはほとんど知らなかったので、入社した1986年頃は技術書ばかりを読んでいました。
当時は、近所の本屋にはコンピュータの本はなかったので、新宿の紀伊国屋まで行って買っていました。

紀伊国屋まで行っても、本棚1メートル分の本しかありません。
しかも少ない書籍の大部分は理系向けのコンピュータ科学に関するもので、私が担当していたCOBOLの業務システム構築とは関係のない本ばかりでした。
ですから、1年もすると目ぼしい本は大体読み終わってしまいました。

今思い出すと勘違いも甚だしいのですが「コンピュータに関する勉強はほぼ終わった」と思い、その後は経営や歴史、哲学の本ばかりを読んでいました。

なかなか理系の読書に戻れない

転機が訪れたのは1990年代初頭です。
それまで一部の企業でしか使われていなかったパソコンが、業務システムにも使われ始めました。
私が担当していた新システムでも、IBMのOS/2を搭載したパソコンを採用することになりました。
それで、OS/2で動くシステムをプログラミングするために、C++やOS/2の勉強をしなければならなくなりました。

その後、Microsoft Windowsが主流になり、Visual Basic、Visual C++、Delphiなど次々と新しい言語が登場し、その都度、勉強し直さなければなりません。
しかも、プログラミング言語だけでなく、OS、データベースなど、学ばなければならないことは増え続ける一方です。

2000年頃になるとWebシステムが主流になり、次第にJavaが台頭してきました。
加えてプロジェクトマネジメントやシステムエンジニアリングなどの分野の書籍が大量に出版されるようになりました。

その後も、Struts、Springなどの各種フレームワークが流行したり、スクリプト言語が出てくるなど、どこまで変わり続けるのか先が見えない状況です。

その流れに乗り遅れまいと、ずっと技術関係の本を読み続けてきたのですが、最近ちょっと疲れてきました。
そろそろ昔のように、歴史などの本をゆっくりと読む、理系の読書に戻っても良いかなと考えているのですが、一度技術の流行から遅れると二度と追いつけなくなるのではないかと不安で、なかなか踏み切れないでいます。