以前受講したプロジェクト管理研修で、講師が米HPの現役プロジェクトマネージャだったので、前々から疑問に思っていたアメリカIT企業での技術者のキャリアパスについて質問してみました。

日本企業における技術者のキャリアパス

日本企業では、技術者はプログラマ、システムエンジニア、プロジェクトマネージャと一応分かれていますが、呼び名が異なるだけで実際にはやっていることは同じだったりします。
とくにプログラマというのは低く見られがちなので、配属されたばかりの新人でもシステムエンジニアを名乗ったりしますが、実際には初級プログラマレベルにも達していない人がよくいます。

それに出世していくためには管理ができなければならないので、本人の希望や適性は関係なく、ある年齢に達したら管理を行うことを強制されます。
IT技術に関してはとても詳しいのに、管理はからっきしダメという人がたまにいるのですが、そういう人は日本企業では出世しづらいのです。

米国企業における技術者のキャリアパス

米国企業では、プログラマ、システムアナリスト、プロジェクトマネージャに分かれていることが多いのですが、それぞれが専門職種として確立されており、どの職種が上ということはないと聞きました。

それで、米国企業ではどのようにキャリアパスを運営しているのか常々疑問に思っていたので、現役プロジェクトマネージャである講師に聞いてみました。

私 「米国では、プログラマが経験を積んで、自動的にプロジェクトマネージャになるわけではないんですよね。」
講師「そうです。一生プログラマとして働く人がたくさんいます。」
私 「その場合、待遇はどうなのですか?」
講師「プログラマだからといってプロジェクトマネージャより報酬が低いということはありません。
それぞれの職種での能力に応じて報酬は決まります。」
私 「プロジェクトマネージャにはどのようにしてなるんですか?」
講師「最初はプログラマとして働きます。いきなりプロジェクトマネージャになるのは無理ですから。
最低2、3年プログラマとして働いた後、希望すればプロジェクトマネージャになれます。」
私 「プロジェクトマネージャとプログラマの立場に上下はありますか?」
講師「まったくありません。対等な立場です。」
私 「プロジェクトチームはどのように組むのですか?」
講師「プロエクトマネージャがプロジェクトメンバを募集し、プログラマがそれに応募します。
条件が悪いプロジェクトやプロジェクトマネージャの能力が低い場合には優秀なプログラマが集まりません。
だから、プロジェクトマネージャとプログラマは対等なのです。」
私 「悪い条件のプロジェクトを引き受けたらプロジェクトマネージャはつらい立場になるのですね。」
講師「そうです。悪い条件のプロジェクトは、プロジェクトオーナーと交渉して条件をよくするのもプロジェクトマネージャの大切な能力です。」
私 「転職はよくあるのですか?」
講師「頻繁に転職します。むしろ転職できないのは無能とみなされます。
職種が確立されているので、転職しても新しい企業にスムーズに対応できます。」

随分、日本と米国では職種に対する考え方が異なることが分かりました。
実は、この質疑は授業が終わった定時後に行ったのですが、研修そのものとは関係ない内容にも関わらず、丁寧に回答してくださった講師の方に感謝しています。

彼は、年に数回研修を行うためにわざわざアメリカから日本に来ているそうです。
なかなか米国企業で働いている方のお話を聞く機会はないので、とても貴重な体験となりました。