入社当時の上司から教えられたことの1つに「トラブルが発生したら直ぐに現場に駆けつけろ」というものがありました。
私は、その教えを守ってトラブルの連絡を受けたら直ぐにお客様のところに駆けつけるようにしていました。

正確な状況把握

トラブル解決のためには迅速な状況把握が欠かせません。
何が起きているのかを正確に知らなければなりません。
これは当たり前で簡単なことだと思われるかもしれませんが、意外に難しく、訓練しないとうまくできないものです。

例えば「システムが停まった」と連絡を受けることがあります。
それでシステム全体が停止したものだと思い込み調べていたら、実は1人のユーザの画面の応答がないだけだったということがよくあります。

技術者同士であれば、どのログに何のメッセージが表示されたかや画面の状態等を聞き出すことができますが、ITの知識がないお客様に正確な情報を伝えてもらうのには限界があります。

ですから、開発者が現場で自分の目で確認することはとても大切です。
それも出来るだけ早く行う必要があるのです。

解決策のお客様との調整

解決策を決めるのにも現場でお客様とコミュニケーションを取ることが不可欠です。

プログラムを正しく修正し、再実行するだけであれば、難しくはないのですが、修正に時間が掛かる場合にはとりあえず後続処理を実行して、後で出力結果を手作業やツールで修正するなどの暫定対策で済ませる場合もあります。

時間を掛けて本対策を実施するのが良いか、とりあえず暫定対策を行うのが良いかは、お客様の業務への影響が分からないと決めることはできませんからお客様に決めていただく必要があります。

しかし、判断していただく際に、本対策に掛かる時間や暫定対策を行った場合の処理結果への影響を技術者から正確にお客様に伝える必要があります。つまり、お客様と技術者が直ぐに会話できる状態になっていることが不可欠です。

トラブルを早く解決するためには、できるだけ早くその状態を作り出す必要があるのです。
ですからトラブルが起きたら直ぐに現場に駆けつける必要があるのです。

反対意見もありました

すぐに現場に行くことに反対する人たちもたくさんいました。
情報収集などの準備が整っていない段階で現場に行くと、うまく対応できずに会社の信用を落としたり、お客様を混乱させる恐れがあるというのです。

確かにその恐れはあると思います。
しかし、行動しないで過ぎ去った時間は取り戻すことはできません。
その遅れが致命傷となることがあるという信念で、私はとにかく現場に駆けつけるようにしていました。

でも、それで窮地に追い込まれたこともありました。