オフショア開発を始めると最初は質問の多さに驚く

ベトナムや中国の会社に、オフショア開発を委託した後、発注先の会社から質問が山のように来て、対応に困ったという経験をされた方は多いのではないかと思います。
とくに初めてオフショア開発を始めたときは、件数の多さに驚いてしまいます。

とにかく早く回答しなければなりません。回答期限が2日程度に設定されていることが多かったです。
回答が遅れると、発注先の作業が止まったり、勝手に仕様を解釈して作業を始めかねません。
しかも1日に数十件ずつ発生するのに対し、回答作成に割ける時間はわずかです。

「こんなに手間が掛かるんだったら、オフショアに頼んだ意味がないよ」と思ってしまいます。

質問から気づかされることも多い

しかし、質問の内容を読んでいるといろいろと気付かされます。
自分たちが作った設計書の不備や記述が弱いところが分かりますし、発注先の会社の力量も見えてきます。

設計書はエンドユーザーとレビューを完了したものを送っていますが、私たちもお客様も何度も同じ設計書を読むことになるので、慣れてしまって意識しなくても行間が読める状態になってしまいます。
そのため、本来書かなければいけないことが書いてなくても気付かないことがよくあります。

しかし、オフショア開発の発注先の技術者は、設計書を初めて読むので先入観がありません。
しかも、日本語ネイティブではないので斜め読みができず、仕様書の一言一句を丁寧に読んでくれます。

それで、発注側がなかなか気づくことのできない設計書の不備を指摘してくれます。
極論ですが「設計書を書いたらオフショアに送ってしまえ。そして不備をチェックしてもらえ」と言う上司もいました。(これを実際にやると、発注先に迷惑が掛かるので止めた方が良いと思います。)

それから、分かっていないと出てこない質問があります。
そういう質問がちゃんと出てくると「おお、分かっているじゃないか」と安心できます。

質問に回答するのは大変ですが、大量に発生するのは最初のうちだけですし、発注元の弱点や発注先の力量を知ることができるので、決して無駄ではありません。

質問が来ない場合は要注意

逆に質問がほとんど来ない場合があります。
そういう場合は、要注意です。

先ず考えられるのは、設計書をちゃんと読んでいないケースです

いい加減な技術者が割り当てられた場合、設計書の一部しか読んでいないことがあります。
当然、質問はほとんど出てきません。

また、質問票を起票すること自体を面倒臭がって、勝手に解釈して作業を進める技術者もいます。

どちらの場合でもちゃんとした成果物は出てきません。

また、質問するのを怖がってしまう会社もあります。
日本向けオフショアに慣れていない会社や技術力に自信のない会社の場合です。

日本人同士のやり取りでも同じですが、技術力がない人は分からないことがあっても「変なことを聞くと力がないのが相手に分かってしまう」ことを恐れて質問できません。
逆に技術力に自信を持っていれば、聞くべきこととそうでないことの判断ができるので自信を持って質問することができます。

質問件数が少ない場合には、相手の理解度をチェックすることが必要です。

質問には丁寧な対応が必要

忙しさから、ついつい面倒になり、「こんなことをいちいち質問するな」と高圧的な態度をとってしまう発注者もいますが、そうすると発注先が萎縮してしまい、質問しなくなってしまうことがあります。

必要な質問ができないと勝手に解釈して作業を進めざるをえなくなり、結局品質の低下という形で発注元に返ってくるので、止めた方が無難です。

ただし、同じような質問を何回もして来たり、仕様書に書いてあることを質問してくる場合は、発注先の会社の管理体制に問題があります。

担当者から直接質問を発注先に垂れ流すのではなく、リーダーがチェックや横展開などを行うよう発注先に申し入れてください。