プロジェクト管理は性善説が前提で成り立っている

システム開発における進捗管理は、みんなが正直であることが前提で成り立っています。
終わっていないのに終わったと嘘を報告されても、しばらくの間は発見することができません。

成果物のレビューを細かく実施すれば、早く嘘の報告に気付くことができますが、成果物が出来てからレビューするまでには、ある程度の時間が空いてしまうのが普通です。

それでもプロジェクトが破綻しないのは、技術者がみんな正直だからだと思います。ところが、まれに嘘をつく技術者もいます。

新人が異動した後、成果物も消えた

ある官庁のシステムを開発しているときでした。
新人にプログラムの製造を任せていたのですが、その新人が急に別の部署に異動することになりました。
進捗を確認すると予定通りに進んでおり、異動する日までには全部の作業が完了する見込みでした。

そして異動の前日になり、進捗を確認すると見込み通りにすべてのプログラムの予定は完了していました。
成果物一式を格納しているフォルダを引継資料にまとめてもらい、その新人は無事新しい部署に旅立って行きました。

異変がみつかったのは、その翌日です。
サブリーダが、成果物を格納したフォルダが見つからないというのです。
そんなはずはないと何度も確認しましたが、確かにフォルダは存在しません。

異動初日で申し訳ないとは思いましたが、新人に確認の電話を入れました。

私 「昨日教えてもらった成果物を格納したフォルダが見つからないんだけど」
新人「そんなはずはありません。確かに格納しました。」
私 「フォルダに間違えはない?」
新人「そのフォルダで間違いないです。」

再度確認するようサブリーダに指示しましたが、何度確認してもフォルダはありません。

成果物は意外な場所から発見された

もうあきらめて、プログラムを再度作るようみんなのスケジュールを確認していたところ、サブリーダから「見つかりました。」と報告がありました。

なんと、新人が使ったPCのゴミ箱にあったというのです。
新人が操作ミスをして、フォルダをゴミ箱に入れてしまったのでしょう。

安心していると、またサブリーダから報告がありました。
「フォルダはありましたが、内容は全然ダメです。他のプログラムをコピーしてIDだけ変えたものが格納されていました。」

新人は、ずっと嘘の報告をしていたのです。
困った挙句に、別のプログラムを少しだけ書き換えてごまかそうとしたのでしょう。
そして、いよいよごまかせなくなった時に、異動の話が来たというわけです。
そして嘘がばれないように、フォルダを削除して去って行ったのですが、彼は削除したファイルがゴミ箱に入ることを知らなかったようです。

嘘をついたことは許せませんが、もう少しこまめにみてあげれば良かったと反省しています。