私がコンピュータ業界に入ったきっかけ
私は、文系で大学では会計を勉強していました。
大学に通っていたのは30年以上前で、その頃はコンピューターは身近なものではありませんでした。
ですから、就職活動の直前までコンピュータ業界に入ることは考えていませんでした。
今回は、そんな私がシステム開発の仕事をやることになったわけを書きます。
中学時代の友人の電話から始まった
大学4年の4月、中学時代の友人から久しぶりに電話が掛かってきました。
友人「とても儲かるアルバイトがあるんだけどやらない?」
私 「どんな仕事なの?」
友人「コンピューターのプログラムを書く仕事なんだ。」
私 「お金はどのくらい貰えるの?」
友人「1行書くと100円貰えるよ。」
私 「でも、俺はプログラムなんて作れないよ。」
友人「簡単だよ。1週間もあれば覚えられるよ。」
疑わしいとは思いましたが、かなりの高報酬です。
早速、私は新宿紀伊国屋までプログラミングの本を買いに行きました。
当時のメインフレームは、COBOL言語でプログラムを作成するのが主流だったので、私もCOBOL言語を勉強したのですが、確かに簡単でした。1時間あれば100行くらいは楽に書けそうです。そうすると時給1万円になると結構興奮していました。
アルバイトの詳細を聞きに行ったら話が全然違った
ちょうど勉強が終わった頃、友人から電話があり、アルバイトの具体的な話をするため会うことになりました。
そして待ち合わせ当日、私の家の最寄り駅で待っていると、友人は高そうな車に乗って現れました。
運転しているのは、まったく面識のない人です。別にもう一人知らない人が乗っていました。
友人に聞くと「彼はある会社の御曹司で、知り合いになるといろいろいいことがあるから連れてきた。」というのです。なぜ今日連れてくる必要があるのか、よく分かりませんでしたが、それ以上追求するのは止めておきました。
私は車に乗せられました。そして郊外のファミレスに着きました。
そこで始まったのは、新興宗教の勧誘です。
今ならよく知っている結構大きな宗教でした。
私は、宗教にはまったく興味がなかったので、ひたすら断り続けました。
相手はなんとか説得してきますが、私は相手の話の矛盾をついたり、自分がいかに宗教に興味がないかを説明しました。ところが、一人を説き伏せると次の人が初めから勧誘を始めるのです。
3人に代わる代わる説得されましたが、何とかはねのけました。
でも、13時間掛かってしまいました。
それで、その友人とはそれっきりで、アルバイトの話は立ち消えになったのですが、プログラムは簡単だという思い込みが、私に残りました。
それで、SEになろうと就職活動をし、この業界に入ることになってしまったわけです。
1行で100円というのも、コーディングだけでなく、単体テストも含めてだったので、そんなに割りが良いわけではなかったと知ったのは、会社に入った後でした。
でも、よく考えられています。
家から離れた郊外のファミレスに行けば、私は簡単に帰ることができません。
その宗教の施設に連れていかれていれば、拉致監禁で訴えられる可能でしがあります。
しかし、ファミレスであればその恐れはありません。
それ以来、音信不通だった友人の電話には気をつけるようになりました。