遅刻対策で罰金制度を導入

ベトナムのオフショア開発プロジェクトでの話です。

私は発注先の会社に滞在して進捗管理を行っていましたが、ちょっとした問題があり困っていました。
それは、遅刻する人が多かったことです。
1時間や2時間の遅刻は当たり前で、ひどい人だと夕方になって会社にやっとくるような状態でした。
遅刻する人は、進捗入力もやっていない場合が多いのですが、状況を確認しようとしても本人がなかなか来ないので、進捗報告を締めることができません。

よその会社のことなので、あまり口出ししたくなかったのですが、止むを得ずオフショア開発会社の部長に改善を要求しました。
すると、その部長はすぐにプロジェクトに罰金制度を導入しました。
遅刻や進捗入力漏れがあると、1回につき5万ドン(約250円)を支払わなくてはなりません。当時のベトナムと日本の物価差は10倍くらいありましたから、日本人にとっての2,500円くらいに当たり結構高額です。

金額の大きさもさることながら、罰金を取るということ自体が、日本では法律に触れる恐れがあります。
一応、労働者を大切にする社会主義の国で、こういうことをしても大丈夫かなと心配したのですが、みんなはちょっと嫌な顔をしただけで文句を言う人はいませんでした。

罰金制度を導入した効果は、翌日から現れました。
遅刻する人がほとんどいなくなったのです。それでも遅刻する人もいましたが、極々少数です。
おかげで進捗管理がかなり楽になりました。

日本人同士で仕事をするときは、予めペナルティを詳細に決めることに抵抗がありますが、ベトナム人と仕事をするときは、明確にしておいた方が良いということが分かりました。

同じプロジェクトで報奨金制度も試行

このプロジェクトでは、プロジェクトに貢献した人を対象とする報奨金も導入しました。
報奨金は会社からは出せないので、私も含めた発注元の管理職で出し合いました。(4人で10万円だったので結構痛かったです。)

結論から言うとこちらはうまくいきませんでした。
お金は私たちが出しましたが、誰にあげるかはオフショア開発会社の管理者に任せました。
私たち日本人は、コミュニケータやブリッジSEなど私たちと直接接する人に高い評価を与えがちだからです。

その代り、できるだけ定量的な数値で評価して対象者を決めて欲しいとお願いしておいたのですが、評価基準は教えてもらえませんでした。
結局、オフショア開発会社の管理者たちは、自分のお気に入りの技術者に優先して賞を与えてしまい、他の技術者はかなり怒っていました。
プロジェクトの終盤、後工程の準備に追われてしまったため、報奨金の対象者選定にあまり関われなかったのも良くなかったと反省しています。

 

その失敗があったのと懐がかなり痛かったので、それ以降のプロジェクトでは報奨金は出していません。

おそらく、報奨金制度をちゃんと運用すれば、ベトナムでは効果が上がると思われます。
しかし、定量的な目標と報奨金を連動すると、目標となった項目だけに集中し、他の大切な指標は無視される恐れがあるので、気をつける必要があります。