すべての会社でいうわけではないでしょうが、ベトナム人の管理職はいばるのが仕事だと思っているのではないかと思う時があります。
ジャッキー・チェンの映画などに出てくる昔の中国の役人のイメージです。

最初に当たった課長は何もしない人だった

ベトナムへのオフショア開発を始めた頃に当たった発注先の部長は、とにかく何もしない人でした。
いつも個室に入っていて滅多に出てきません。会議でも建前ばかりを言っていてプロジェクトに問題があっても興味を示さないし、何を考えているのかわからない人でした。
日本にもそういう管理職はいるので、そのときは「この人はそういう人なんだな」と思っただけでした。

できるPMが昇進した途端に豹変した

その下にとても良いPMがいました。頭が良く、技術的なことに詳しい。そのうえ、部下の面倒見はよく、問題があると率先して対応していました。

その彼が部長に昇進しました。
私は、信頼出来る人間が部長になって仕事がやりやすくなると喜んでいました。

ところが、彼は昇進した途端に変わってしまったのです。
その会社では部長になると個室が与えられるのですが、その部屋から出てこなくなりました。
また、会議でも建前ばかりで何を言いたいのか分からない発言ばかりをするようになってしまいました。
まるで、前の部長が憑依したみたいです。

その後も昇進した人が何人かいましたが、程度の差こそあれ、同じように変わってしまいました。

日本でも昇進すると変わってしまう人もいます。
組織として動かなければならないので、顧客に対して全面には立てなくなるというのも理解できます。
また、昇進したばかりのときは、新しい仕事に慣れていないので大変だというのも分かります、
でも、日本のそれとは違っていて、彼らは「それは自分のポジションの仕事ではない」とはっきり線引きしているように見えました。

地位に対する考え方が違うのでは

私は、そこで思いました。「まるで役人みたいだ。」
最近の日本の公務員のことではありません。昔の中国の役人のイメージです。

彼らはエリートで、彼らの親も役所か国営企業の幹部であることが多いと聞いています。
そこでは、みんなあまり働きません。偉くなると尚更で、極端な話ふんぞり返っているのが仕事だそうです。
その代わり、偉くなるために一所懸命働き、偉くなったら優雅に暮らすことができます。

そういう親たちを見ているので、彼らにとっては偉くなったら働かずに地位に付随する特権を楽しむのが当たり前なのかもしれません。
そういえば、その会社は元国営企業だったので、そういう体質を色濃く残しているのでしょう。

日本では、少子高齢化により管理職ばかりが増えた代わりに、役職の価値がどんどん下がっています。
課長になっても部長になっても部下がおらず、現場の仕事を一人でやっている人もいます。
それと比べるとベトナムの管理職は、羨ましく感じます。

でも、考えてみると私が会社に入った頃の管理職は、今のベトナムの管理職と同じでした。
ベトナムの管理職の有り様も、これから変わっていくのかもしれません。