ベトナムでのPMの育て方
日本の会社でのPM育成
みなさんの職場ではどのようにPM(プロジェクト・マネージャー)を育成していますか。
私がいた会社では精神論が中心でした。
PM育成研修で教えられました。
「PMは、プロジェクトのすべての責任を負わなければならない。」
「リスクにはいち早く気づいて手を打たなければならない。」
「ステークホルダーの人たちとうまく付き合わなければならない。」
「部下からは慕われなければならない。」
「お客様とのタフな交渉もこなさなければならない。」
「普段から人格を磨きあげておかなければならない。」
「何事も考えて考え抜かねばならない。」
そんな人はいません。
大体何十人、何百人いるメンバーの中で、なぜただ一人だけ責任を負わなければならないのか疑問でした。
最近になって、PMOが支援を行ったり、PMにメンターをつけたりと負担を分担する制度もできてきましたが、以前は、工程会議などでPM一人が袋叩きに遭っていました。
そんな理不尽な目に遭いながらも、それを糧として成長していくのが日本のPMですが、それをベトナム人に言ってもまったく理解されません。
ベトナム人への教え方
守破離という言葉があります。
まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まり、次にその型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができるという考え方です。
日本ではいきなり「破」を教えようとしますが、やはり「守」を丁寧に教えることが必要だと思います。
「進捗の遅れが発生したら、まずXXを確認し、つぎは〇〇を確認する」というように完全に手順化し、その手順通りに何度もやってもらいます。とにかく機械的に覚えてもらうわけです。
重要なのは決められたサイクル、手順通りにやることで、出来なかったときには厳しく叱り、出来たときには褒めてあげることが大切です。
指導していると、段々出来なかったことが出来るようになって自信がついてくる様子が分かります。
実際のプロジェクトでは、決められた手順にはないことが発生するかもしれません。
しかし、それは一部の問題ですし、基本ができていないのにより難しい問題に対処できるわけはありません。
何度も反復して確実に基本を身につけさせることが大切です。
実は日本でも同じようなやり方が良いのではないかと考えるようになってきました。