禁煙成功までの道のり
オフショア開発に携わるようになって飛行機に乗る機会が増えたことがきっかけで、私は禁煙を考えるようになったのですが、成功するまでに何度も何度も失敗しました。
タバコに支配された生活
禁煙する前の私はヘビースモーカーだったと思います。
1日に最低3箱(60本)は吸っていました。
仕事がうまくいかずにイライラしているときはもっと吸っていました。
4箱以上吸うと、さすがに肺が痛くなるときがあるのでまずいとは思っていたのですが、止められませんでした。
出張すると先ずタバコが吸える場所を確認していましたし、会議が長引いてタバコが吸えないとイライラしていました。
すべての行動がタバコに支配されているような感覚で、このままではまずいと思っていたところに、オフショア開発の話が来ました。
それまで国内で行っていたプログラミング作業を、ベトナムのシステム会社に委託することになったのです。
外国に発注してシステム開発がうまくいくのかという問題は当然あったのですが、私にとっては飛行機で移動する7時間くらいの間、タバコが吸えなくなるというのが一番の問題でした。
実際、ベトナムと日本を2回行き来してみたのですが、フライトの後半になるとタバコのことばかり考えていました。
「このままではまずい」と思い、禁煙を決意しました。
まずはニコチンガムで挑戦
最初は、近所の薬局でニコチンガム(ニコレット)を買ってきました。
でも、ニコチンガムは私には全然合わずに失敗しました。
ガムというので、てっきり噛んでいると自然とニコチンが吸収できるのだろうと思っていたのですが、全然違いました。
噛まずに舌の下に入れておかなければならないのです。
舌の下にニコチンガムを入れていると段々気持ち悪くなってきます。
それでも、我慢して使っていたのですが、肝心のタバコを吸いたいという気持ちが全然収まらず、止めてしまいました。
つぎはニコチン・パッチを試用
ニコチンガムで失敗し、一人で禁煙することに限界を感じてきたので、禁煙外来に行くことにしました。
そこで、処方されたのがニコチン・パッチでした。
ニコチン・パッチとは、湿布のように体に貼ると、そこからニコチンが体内に吸収され、タバコを吸いたいという気持ちが抑えられるというものです。
ところが、ニコチン・パッチも失敗でした。
私の皮膚に合っていないらしく、ニコチン・パッチを貼るとその部分が赤く腫れ上がってしまいました。
貼る場所を変えながら続けたのですが、2週間くらいで貼るところがなくなってしまいました。
しかも、タバコを吸いたい衝動はなくならず、パッチを貼りながらタバコを吸っていました。
さすがに本数は減りましたが、このまま続けるのはつらかったので、医師と相談してニコチン・パッチは止めることにしました。
飲み薬でやっと禁煙成功
そのとき、医師から勧められたのが、当時発売が始まったばかりのチャンピックス(CHAMPIX)という飲み薬でした。
この薬の凄いところは、ニコチンを摂取しているわけではないのに、吸いたい気持ちを抑えてくれることです。
最初の1週間は、喫煙しながら薬を服用するのですが、4日目あたりからタバコがまずくなってきました。
そして、8日目にタバコをきっぱり止めることができました。
薬を服用していても、たまに無性にタバコを吸いたくなるときがありますが、じっと我慢していれば直ぐに収まります。
私の場合、副作用は、朝に薬を飲んだ後に吐き気がすることくらいでした。
これは我慢していれば、5分から30分で収まります。
それと薬が原因かどうかは分からないのですが、薬を飲んでいる間は、よく夢を見るような気がします。
悪夢を見る人もいるらしいのですが、私の場合は普通の夢でした。
病院の禁煙外来で処方してもらうのがオススメ
禁煙を検討されている方には、チャンピックス(CHAMPIX)はオススメです。
入手するには、病院の禁煙外来に行って処方してもらう方法と、ネットの薬局で購入(実質は個人輸入)する方法がありますが、病院で処方してもらう方法がオススメです。
ネットの薬局にはニセモノが出回っているそうですが、どこが本物を扱っているか判断するのは難しいです。
それに、病院の禁煙外来なら健康保険が効くので、安く入手できます。
保険が効かないと、薬代として1ヶ月分で2万円弱掛かりますが、保険が効けば6千円で済みます。
ただし、病院選びは慎重に行ってください。
通いやすくて、空いている病院が良いです。
薬の処方箋を書いてもらうだけなので名医である必要はありません。
私の場合は、自宅の駅のそばの小さなクリニックに行きました。
患者が少なかったので待ち時間が短くて済みましたし、夜8時まで診てくれたので仕事帰りでも間に合いました。
こうして色々な方法を試しながら、何年も掛けて禁煙にこぎつけることができました。
でも、その後何度もタバコを吸ってしまったことがあります。
飲み会などで目の前でタバコを吸っている人がいると、ついつい吸いたくなってしまいます。
今でも身近にタバコを吸っている人がいると無性に吸いたくなってしまいます。