ベトナムは転職社会です。
同じ会社でずっと働き続ける人は稀で、大体の人が転職を経験しています。
とくに会社に不満はなくても、給料が少しでも良い会社があれば直ぐに転職してしまいます。
そのために常に友達と給料などの情報を交換し合っています。

とくにオフショア開発を行うIT系の技術者たちの間では、情報交換が密に行われています。
大学のクラスメイトは、ほぼ全員同じ業界に入るわけですから、当然です。

日本語コミュニケータ達も同様です。
日本語通訳という専門職種なので、業界の枠を超えて人材が移動しています。

それに対して雇っている会社側は必死で社員を繋ぎ止めようとしています。
高い給料を払うことができれば良いのですが、そんなことをしていたらお金がなくなってしまいます。
また、昇進などもポストが限られているので、みんなの要望に応えることはできません。

そこで会社側は、いろいろな手を使って社員を引きとめようとしています。

業務時間内にいきなりパーティーが始まった

出張でベトナムのある会社にいたときのことです。
午後3時くらいに突然部屋の電気が消えました。
「停電かな」と思ったのですが、みんなの様子が少し変です。
するとケーキと花束を持った人たちが現れました。
そして、みんながハッピーバースデー・トゥー・ユーと歌い始めました。
そうです。あるエンジニアの誕生日だったのです。

サプライズ・パーティーのような感じだったんですが、いつものことで本人を含めみんな慣れているのでしょう。
一番サプライズだったのは私だったと思います。

その後、30分くらいはみんな仕事せずに、ケーキを食べたり、おしゃべりしたりしていました。
この部署には70人くらいの社員がいるので、5日に1度はこのようなパーティーが開かれていることになります。
私は、何て無駄な時間を使うんだと思いました。自分の発注したプロジェクトが遅れていて非常に焦っていたのです。

しかし、今考えると、アットホームな雰囲気を醸し出して社員を繋ぎ止めようとする会社の努力の一環だと理解できました。

他にもいろいろな努力をしていますが・・・

他にも会社はいろいろな努力をしています。
その一例を挙げると以下のようなものがあります。

  • 社員旅行は家族同伴
  • クラブ活動を会社で支援
  • 飲み会の費用は会社負担
  • スキルアップの費用は会社負担
  • ファミリーデー

社員旅行に家族を同伴させるのは日本でも行っている会社はありますが、ベトナムと日本で違うのは家族の範囲です。日本では配偶者と子供までですが、ベトナムは親や兄弟まで同伴することがあります。

また、家族を会社に呼ぶファミリーデーでは、家族にプレゼントをあげるなど、家族の理解を得て、本人が会社を辞めにくくする施策が結構あります。家族を大切にするベトナムならではといえます。

その他にもクラブ活動や飲み会を奨励して、楽しい雰囲気を醸し出そうと努力しています。

しかし、それでも転職を防げないのが現状のようです。